
◎ カビが再発するのは「原因」を取り除いていないから
◎ 表面を拭くだけでは根本解決にならない
◎ 空気の流れをつくることが、カビ対策の本質
カビは何度でも戻ってくる
カビを拭き取った。スプレーもした。それなのにまた同じ場所に出てくる。
わたしはこれを何年も繰り返していました。最初はただ「湿気の多い家なんだな」くらいにしか思っていなかった。でも衣類にカビが出たとき、さすがに「これはまずい」と思った。
タンスから取り出した服の一部に、緑がかったものがついている。最初は汚れかと思ってこすったら、粉っぽく広がった。カビでした。あの緑を見たときの「うわ…」という感覚は、今でも覚えています。念入りに洗って、きれいにしてタンスにしまったはずの服に、またカビが出る。
これはもう「拭けば終わり」の話じゃない、と気づいたのはそのときです。
カビが再発する本当の理由
カビが同じ場所に何度も出るのは、「カビの胞子が残っているから」だけではないです。
もっと根本的な話をすると、カビが育ちやすい環境がそのまま残っているからです。
カビが生えるために必要なものは3つ。湿度・温度・栄養(ホコリや汚れ)です。この3つがそろっている場所に、胞子が落ちてくれば、またカビが生える。それだけの話なんですよね。
表面を拭いたり、カビ取りスプレーをかけることは間違いじゃない。でも環境を変えていなければ、また同じことになる。わたしはここを長い間わかっていなかった。「やること」はやっていたつもりだったんです。でも根本を変えていなかった。
わたしがやっていたこと、やっていなかったこと
衣類にカビが出てから、いろいろ試しました。
まず洗濯を念入りにするようにした。しっかり乾燥させてからタンスにしまう。これは当然のことなんですが、それまでは「乾いたかな」くらいの感覚でしまっていた。
完全に乾いていない状態でタンスに入れると、タンスの中の湿度が上がる。それがカビの温床になっていたんですよね。
次に風を常に回すようにした。サーキュレーター、扇風機、換気扇、24時間換気、レンジフード。使えるものは全部使って、家の中の空気が止まらないようにした。空気が動いていれば、湿気が一箇所に溜まりにくくなる。これは体感として効果がありました。
押し入れは、季節によって戸を外すようにした。扉を閉めたままにしておくと、中の空気が完全に止まる。湿度が上がっても逃げ場がない。戸を外して開放しておくだけで、中の空気が入れ替わる。やってみると、押し入れの中の臭いが変わるんですよ。こもった感じがなくなる。
家具は壁から少し離すようにした。タンスや棚が壁にぴったりついていると、その隙間に空気が入らない。湿気がこもって、壁側にカビが出やすくなる。数センチでいいので壁から離すだけで、空気が流れるようになります。
除湿剤もまんべんなく置くようにした。押し入れ、クローゼット、タンスの引き出しの中にも。置き換えのサインが出たらすぐ変える。これを怠ると意味がない。
除菌剤を撒いたり、カビが出やすい場所にはハイターを使える素材であれば使うようにした。ただしこれはあくまで「今あるカビへの対処」であって、環境を変えることとはセットでやらないといけないと今は思っています。
やってみてわかったこと
正直、全部いっぺんにやったわけじゃないです。
最初は「除湿剤を置く」「カビ取りスプレーをかける」くらいしかやっていなかった。それで一時的にカビが消えて、また出てくる。を繰り返していた。
変わったのは「空気を動かす」ことを意識してからです。
サーキュレーターを回し始めて、押し入れの戸を外して、家具を壁から離す。それをセットでやったときに、明らかに再発の頻度が変わった。衣類にカビが出ることもなくなった。
空気が動いているかどうか。これがカビ対策の根本だとわたしは思っています。
こういう人もいます
同じような経験をしている人は、思っている以上にたくさんいます。
「クローゼットの中の洋服に毎年カビが出て、シーズンオフに取り出すたびに絶望する。捨てた服の数を考えると泣けてくる。」
「押し入れの奥にしまっていた布団を出したら、全面カビだらけだった。あのショックは忘れられない。もう何年もそこに入れっぱなしにしていた。」
「対策として除湿剤を大量に買って置きまくったけど、全然変わらない。後から考えたら空気が動いていないんだから当然だった。」
「北側の部屋の壁紙が毎年黒くなる。拭いても翌年また出る。賃貸だから自分でどうにかするしかなくて、毎年しんどい。」
これ、全部「環境が変わっていないから再発している」パターンです。
カビが出たことへの対処はしている。でも出やすい環境を変えることができていない。わたしもそうだったので、気持ちはよくわかります。
カビ対策で最初に見直すべきこと
整理すると、再発を防ぐために見直すべきことはこうなります。
① 空気を動かす
サーキュレーター・扇風機・換気扇・24時間換気を積極的に使う。空気が止まっている場所にカビは出やすい。
② 収納の中を閉め切らない
押し入れ・クローゼットの扉を定期的に開ける。季節によっては外してしまうくらいでいい。
③ 家具を壁から離す
数センチでいい。空気の通り道をつくるだけで変わる。
④ 湿度を数字で把握する
「なんとなく湿っぽい」では判断できない。温湿度計を置いて、数字で確認する。カビが育ちやすいのは湿度60%以上から。70%を超えると一気に条件がそろう。→
⑤ 洗濯物の乾燥を徹底する
しまう前に完全に乾いているか確認する。生乾きのままタンスに入れると、タンスの中の湿度を自分で上げていることになる。
⑥ 除湿剤を適切に使う
置き換えのサインを見逃さない。交換が遅れると逆に湿気を放出するものもある。
⑦ 掃除をこまめにする
ホコリはカビの栄養になる。空気を動かしてもホコリが溜まっていれば条件がそろってしまう。
カビと結露はセットで考える
カビの再発を繰り返している家で、もう一つ確認してほしいのが結露です。
押し入れや北側の壁が湿っているのは、結露が原因であることが多い。窓や壁の表面が冷えて、空気中の水分が水滴になる。それが乾かないまま残り、カビになる。
カビ対策をいくらやっても、結露が続いていれば水分の供給が止まらない。根本が変わらないので、当然再発する。→
カビが出やすい家は、高確率で結露も起きています。どちらか一方だけ対策するのではなく、セットで考えることが大事です。
まとめ
カビが何度も再発するのは、カビが育ちやすい環境がそのまま残っているからです。
表面を拭く・スプレーをかける。これは間違いではない。でもそれだけでは環境は変わらない。
空気を動かす。湿度を数字で把握する。収納を閉め切らない。家具を壁から離す。洗濯物を完全に乾かしてからしまう。
一つひとつは小さなことです。でもこれを全部やったときに、初めて再発が止まりました。
わたしは衣類にカビが出るという経験をしてから、ようやく本気で環境を変えることを考えました。それまでは「また出た」と思いながらスプレーをかけて終わりにしていた。あれは結局、何年も時間と服を無駄にしていたんだと思います。
カビを繰り返しているなら、まず「空気が動いているか」を確認してみてください。そこが出発点です。